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◇ユグドラシル(星系)<The Ygg-Drasi System>名/星

 恒星の名、またはその星系。ユグドラシル星系の居住者。
 ≪解説≫
 2313年、テラフォーミングにおける人類適正化方式を提唱していたメラル=アルラシド博士を中核に未開発星系ロス248にむけて5万人という大規模な移民船団が出帆した。TPG2基を相互使用して目的地近辺にたどり着くという現在でも一般的なトランスポート法を利用し3年以内に到達する予定であった。しかし第13次トランスポート時に突如消息を絶ちそれ以降一切の通信を受けることはなかった。
 テラフォーム統括機構は「トランスポート空間において何らかの異常が発生し同空間あるいは別空間にとらわれたか、最悪消滅したものと考えられる」と発表した。しかし事実には多少の相違があった。
 全ては人々の驚嘆と疑念から始まった。一度にして5万人が行方不明になったこの事件から43年後の西暦2356年、銀経270の方面より正体不明の電波を観測。当初は初の異文化知的生命体からの通信信号の可能性が大とされていたが、解析していくうちにその通信言語が「英語」であると判明し発信主が地球人類である可能性が大とされると謎はますます深まった。というのは電波発信源が太陽系からおよそ230光年に位置する星系にあるとされその方面その距離に人類が移民した事実は一切無いからであった。しかしそれ以前に考えられなかったのは光速を考えるとその電波は230年前に発信されていたことになりさらに混乱が深まった。
 通信内容の解析の結果、その発信主は43年前に消息を絶ったメラル=アルラシド博士を中心とした移民船団で、しかもアルラシド博士本人からの通信もあると判明。約2ヶ月後には映像信号が届きはじめ、次々に真相と状況、正確には43年前いや230年前の状況が分かり始めた。
 正確な原因は不明だが仮説として不安定になったトランスポート空間が230年前にあたる空間へ侵入したためではないかとされた。通信内容により相手側、先方の呼称を採りユグドラシル星系ベルダンディ星の衛星軌道上には唯一残ったTPGが既に配置されており、こちら側からのトランスポート同調接続を求めてきていたため、2360年、遂に「失われた民」との接触を行うべくトランスポートが実行された。それは、人類が経験した中で最長のトランスポート距離(ホーキンス距離)であった。
 接触部隊第一波がまず驚嘆したのがベルダンディ星系の人々の容姿がまるでファンタジーの世界の登場人物のようであり、またそのほとんどが原始的いや寧ろファンタジーの世界にありそうな生活を営んでいることであった。科学文明は退化をみせており、しかし一方で大変おおらかな生活を営んでいることがわかった。調査の結果、彼らはこの星にたどり着いた直後アルラシド博士の計画に基づき遺伝子改良を受けこの惑星に適応した人々の子孫であった。住民の種類は、エルフ、ビースト、エンジェルの3種類であった。その後、繋がったTPGを利用し次々にベルダンディより住民が火星をはじめとし様々な惑星へ移住を始めたが各地で差別を受けその多くが再びベルダンディへ出戻り、今現在でもベルダンディ星以外でその姿を見かけることは大変珍しい。

 ユグドラシル星系は太陽サイズの青い恒星、ユグドラシルを中核に地球型惑星4つ、木星型惑星3つの計7つの惑星からなる。人類の生存可能な惑星は第3惑星のベルダンディのみであり、テラフォーミングレベルB+の好条件の惑星である。

[関連]ベルダンディ
 

◇領土不拡張宣言<a declaration of anenlarging territory>名/政

 現在のウラヌサリア帝國の外交体制。
≪解説≫
 現ウラヌサリア帝國皇帝シルヴァー=タカナシは革命的専政者であるが、その中でも代表的な政策姿勢が、2356年に世界に向けて宣言されたウラヌサリア帝國領土不拡張宣言である。
 先帝リが拡張させた軍事力は当時の太陽系には驚異的な規模を誇ったためタカナシは国内浄化の政策にはいるに先だって星系内の動揺を抑えるために発布した。歴史上の帝國のイメージからすると当帝國も他国への領土侵略の可能性を孕んでいると考えられたわけで、これに対策すべく火星では予防策として軍備の拡大を推し薦めていたが、この宣言により軍事力だけが一人歩きする事態に陥った。
 一方の帝國は領土内の天体の資源開発に力を入れ直しリの御代に遂げた経済成長を上回る成果をあげている。現在、ウラヌサリア帝國の国力は火星国に次ぐものである。
 現在の帝國領は土星圏・天王星圏・海王星圏の30.75×108kmの宙域であり未開発天体は全体の90%以上と言われる。その点からも当然領土の拡張は不必要であり、またたとえ拡張したとしても現状の帝國の国力ではその領土を維持することは不可能である。
 しかしながらこの宣言は無制限無期限にその領土拡張を行使しないと謳っているわけではない。そこには唯一の例外が含まれており、「帝國もしくは全人類社会の秩序を破壊する恐れのある事態が憂慮される際は、帝國はその軍事力をもってそれを阻止し、必要に応じてその政治圏を暫定占領及び統治する」とある。

◇ロットヴァイル重工<Lotvile Heavy Industry>名/集


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