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◇ガーゴイル<Gargoil(仏)>名/軍

 白兵戦闘用人造生物兵器。
 《解説》
 ジーンテクトニクスがアーティフィカル=ロードの登場により異常に発達した時代、つまり21世紀の後半、遺伝子の可能性を推し量るために様々な進化上あり得ないオリジナルの生物が生み出された。その中でも傑作といわれ、また実際に流通したのがガーゴイルである。ガーゴイルは地上白兵戦闘用に開発された純粋な生物兵器である。正式名称はもっとも普及したものがALBM-531XとALBM-554K/Bで特に554K/Bは翼を持っており滑空能力を有した。両者の外見は基本的に共通しており皮膚は濡れたような褐色で目はつり上がった細目、指は5本で爪が長く、中腰前傾姿勢の身長130〜140cmの生物でイルカ程度の知能を有する。通常の銃刀では死亡せず脳を破壊しない限り戦闘を続けるという戦闘のみを存在理由に持つ生物である。生殖能力をもたず全て製造工場の人工子宮の中で作られ育てられる。戦闘開始直前に子宮から出され(覚醒)、そののちは命令に従った戦闘を行うのみである。しかし、ガーゴイルは安全性の点から捕食能力を持たず覚醒後約24時間で死亡するようになっている。これは体内である特定のアミノ酸が作れないように作られ ているためである。
 ガーゴイルが実戦で使用されたのは公式には1度しかなく2291年のベルン市街戦のみである。

◇火星(国)<Mars>名/国

 太陽系第4惑星、またはその国家。
 《解説》
 火星国は、現在のそして史上で比類なく巨大な国家で、人口は96億人を超え、その経済力は世界の通貨の45%以上を動かし、軍事力においても最大である。
 火星国は、大きく正統火星開発条約機構と地球難民直轄地域、木星衛星連合州の3地域から構成されている。正統火星開発条約機構は2089年の火星開発から2132年の火星人民政府の成立を経て地球難民を受け入れる2297年までに形成されていた火星先住民とも言うべき人々の各初期火星開組織の集合体で「ラブリカ州」「エイジア州」「アフ州」「イーロプ州」「テラ州」の5州からなっている。その中でもテラ州は火星の政治的軍事的中心であり、機構は金融経済の中心である。
 地球難民直轄地域は火星本星における機構以外の地域で、その住民のほとんどが第二次方舟計画による避難民またはその子孫である。第一次産業を中心とした生産活動の中心地である。
 木星衛星連合州は太陽系第5惑星木星の衛星、ガニメデ、エウロパ、カリストを中惑星火星心とした第二次産業経済地域で、火星経済の中心地とも言える。しかし、連合は2365年に火星からの独立を一方的に宣言し現在、火星中央政府との内戦に陥っている。

 惑星火星は赤道半径3396キロの天体で自転周期は約24時間37分、公転周期約687日の地球型惑星で衛星を2つ持つ。テラフォーミングレベルはCでテラフォーミング以前は単細胞生物が極冠付近に生息していただけの赤茶けた惑星であった。
 (惑星−火星)

◇ガニメデ<Ganymede>名/星

 太陽系に位置する木星の衛星、またはその行政区。
 ≪解説≫
 木星の衛星「ガニメデ」は2150年、当時実用化されたばかりの人工太陽を利用したテラフォーム法によりテラフォーミングが始まった。太陽系最大の衛星であるガニメデはテラフォーミングレベルC-の天体であったが、ガニメデ自体の水と近隣衛星の地下資源確保のために、後に「人類史上、最も困難な楽園創り」とさえ言われる事業に着工した。2172年に人類の住める地域(65600平方km)が早くも出来上がり、そこをシウダーファレスと名付け現在の木星衛星連合州の行政中心地となっている。
 現在のガニメデは大小200の島々と網の目のように星を覆い張り巡らされた人工の浮遊島により出来ている。一日の長さは24時間とされているが、夜の時間、つまり日の照らない時間は人工太陽の公転周期と木星からの照り返しのために、時期によりまちまちである。昼間も80%以上の時間帯が夕焼け色の空でガニメデは別名「黄昏の美少年」と呼ばれるほどに美しく紅い空を見せる。

 ガニメデは木星本星からの距離1,070,000km、赤道半径2634km、公転周期7.2日のガリレオ衛星である。

◇軌道エレベーター<the Space Lift>名/技

 地上と宇宙を結ぶ長大なエレベーター。
 ≪解説≫
 現在、火星国が進めている最大のプロジェクトが、この軌道エレベーター建設である。
 20世紀にはすでに軌道エレベーターの理論は確立されていたとされるが、ある一点の技術的ハードルがその実現を妨げていた。それは軌道エレベーターを支えるための素材であった。しかし、この問題はすでに21世紀中頃にはクリアーされていた。
 軌道エレベーターは一種の静止衛星と見ることが出来る。これを地上から宇宙に延ばしたときにその軌道を安定するためには静止衛星軌道からある程度の長さが宇宙空間に向かって必要となる。
 その長さは、以下の式
公式01



により重力と遠心力の和が出、エレベーター全体にかかる重力と遠心力は釣り合っていることより、fc-fgをエレベーターの最下rsから最上reまで積分すると0になる。
 係数sρを無視すると
公式02
となり、この積分を実行して、未知数rについて解けば必要長が得られるが、それは長大になり、現実的ではない。(なお、式中はエレベータの微小長dr、断面積S、密度をρとし重力の向きを負にとった)
 そこで、このエレベーターには錘(おもり)として小惑星を静止衛星軌道の少し上方に設置し、全体のバランスをとる方式を採用した。
 エレベーター基部の最大径は3kmで大小合わせて5本のリニアリフトが通り、そのうちの一つは宇宙戦艦の積載も可能といわれている。
 2376年完成の予定で、完成すれば人類初の軌道エレベーターの登場ということになり、惑-宙輸送に革命をもたらすことになる。
 なお、軌道エレベーターの地上基地はシェフィールド、軌道上の基地はクラークと名付けられる。

◇キャノソ<Canoso>名/集

 光学機器を専らとする企業。Canoso。

 <参照>Canoso

◇ココモ工業<Cokomo Industry>名/集


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