| The Single Flagship TAMAKAZURA Plan Room THE FUTURES WATCH FOR HOPE, AND THEN HOPE IS WITH US. One war broke out in 2366, the sun system. It is the result thing which is trivial for the history of the human race but for the people in the those days, it is an important event. |
| Vanishing Points 〜さよなら、ジュピター…〜の世界 |
M「さて、ではさよジュピの舞台ガニメデについてお話を伺いましょう」 S「何から話そうかな…?」 M「そうですね。それではまずガニメデという天体からお願いできますか? S「了解。ガニメデは木星に知られている衛星で、太陽系で一番大きい衛星でだ。木星からの距離:1,070,000 km、直径:5262 km、質量:1.48e23 kg。もちろん地球とは比べるべくもないが、水星よりも大きな天体と言うことになる」 M「惑星よりも大きいんですね。ガニメデはガリレオ衛星のうちの一つですが、他のカリスト、エウロパ、イオなどはどうなっているんですか?」 S「他の木星の巨大衛星…つまり今言ってくれたガリレオ衛星達だが、イオ以外はテラフォーミングが進み今は人類が居住している。イオにも人がいないわけではないんだが、ここは工業資源採掘用の施設ぐらいしかないから永住地ではない」 M「なるほど。しかし、他の天体のテラフォーミングにしても色々と問題があるとは思うのですが、ガニメデのテラフォーミングに際して大変だったこととは何だったんでしょうか?」 S「これも色々ある。そもそもガニメデをテラフォーミング出来るのか?という根本的な問題があるのだが、あらゆる技術が助けてくれている事を前提として話を進めると、まぁ色々と工夫がされている」 M「やはり、一つには重力の問題ですか?」 S「これについては、以前にも話したことだから詳しくは言わないが、人工重力の発生は不可欠な要素だろう。そして、木星の衛星の開発で大変だったのが、木星が放つ有害な放射線だ。ガニメデは木星から大分離れた衛星だからイオのように木星磁気圏から飛来する荷電粒子の砲火を喰らうことはないのだが、それでも放射線の問題はある」 M「一つはやはり大気圏を形成して、それにより放射線を吸収してしまう方法ですね?」 S「そう。そしてもう一つは島単位で張り巡らされて巨大なドームだ」 M「さよジュピ本編の空には必ず描かれていた編み目模様ですね。あれは大気を固定するための物ではなかったのですか? 」 S「ガニメデの開発が始まった頃は、確かに大気を確保するために島は密閉されていて、まさに巨大なカプセルを作り出していた。しかし、現在は主に放射線の遮断と冥暗時に点灯する照明及び散水装置の固定のためにある」 M「かなり大きなドームだと思うんですが…」 S「現在の東京全体ぐらい簡単に覆ってしまうサイズだと思ってくれればいい」 M「一つあたりのサイズがですか…。ところで、ガニメデの空は一日の殆どが紅い空…と言う設定になっているそうですね。これはどうしてでしょう?」 S「これは、人工太陽の所為。ガニメデ…木星圏のテラフォーミングされた衛星は未だに開発当初に使われていた人工太陽を使用している」 M「人工太陽?」 S「人工太陽と言っても、本物の太陽のミニチュア版みたく、丸くて炎が出ているわけではない。低速のレーザー光線を照射させるタイプの物で、赤外線バンドに主な特性が偏っている。まぁ、巨大な赤外線発生装置だ」 M「すると赤外線がメインですからその帯域に近い赤の成分が多くなって、そのままガニメデに届いているわけですね」 S「しかも、カリストで使われている物よりも一世代古いので熱効率に無駄も多い。付け加えるなら、ガニメデが一番サイズの大きな衛星だから光の大気貫通距離も長く、さらに赤くなりやすいというわけ」 M「地球の夕焼け空の原理ですね。しかし…一つ気になっていた事があるんですが……」 S「何かな?」 M「いや…ご存じかとは思いますが、21世紀現在のガニメデって…同期(synchronous rotation )していますよね。公転周期と自転周期が」 S「その通り。物知りだね雅人くん」 M「どうも…。って事は、つまり地球の月と同じで常に同じ面を惑星に向けているってわけで、ストーリー中にあったような木星が空高く昇ったり、地平線の向こうに沈む…なんて事は無いはずじゃないですか!?」 S「むむむ。なかなか鋭い質問だ。これはかなり天体運行に詳しくないと見つけられないアラだね」 M「やっぱり」 S「あ、いやいや。別に知らなかったわけじゃないんだ。これにもちゃんとした理由がある。その前に、雅人くんが言った意味が分からない人もいるかも知れないから、改めて説明してあげてほしいな」 M「あっ、はい。えっと、衛星の中には惑星に対して常に同じ面しか見せない衛星があります。代表的なのが地球の月ですね。月は僕たちに常に同じ面しか見せていません。地球上から横を見ることもなければ裏側を見たこともありません。何故このような事になっているかと言うと、月の自転周期がその公転周期と同じだからです。つまり、月は27.32 日で地球の周りを一周しますが、月の自転周期も27.32日なのです。そう、月も地球と同じように自転しているのです。しかし、常に同じ面しか見せないのはまさにその所為で、月が一日分自転すると公転でも一日分動き、結局同じ部分を地球側に見せるのです」 S「長い説明ありがとう。そしてそれは木星の衛星ガニメデにも起こっているわけだ。他にもイオ、カリスト、エウロパも同期している」 M「で、本題ですが、どうして木星が昇ったり沈んだりするんですか? 同期なら常に木星は同じ所に見えているか、もしくは終日見えないかどちらかだと思いますが。つまり、さよジュピの世界ではガニメデの自転と公転周期はずれている事になりますが」 S「まさにその通り。ガニメデが回転しているのは勿論人工の手が加わったことによるもの。実はガニメデの開発当初は多くの小天体をガニメデにぶつけるという、荒技を実施していた」 M「小天体って小惑星とかですか?」 S「そのとおり!」 M「……荒技ですね。でも、どうしてなんでしょう?」 |
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