The Single Flagship TAMAKAZURA
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THE FUTURES WATCH FOR HOPE, AND THEN HOPE IS WITH US.
One war broke out in 2366, the sun system. It is the result thing which is trivial for the history of the human race but for the people in the those days, it is an important event.

設定問答

M「それでは、火星について色々伺いましょうか」
S「火星の設定も腐るほどあるのだが、細々していて全部書ききれるかどうか……」

M「火星といえば重力は地球の約1/3ですが、その点はどうなっているんですか?体重60kgの人なら20kgって具合になるわけですが…」
S「人工的に重力を作り出すことで解決している。初期の段階ではまだ現在のような複雑な重力発生システムはなく、巨大な岩石を超高密度に圧縮することにより引力を増大させ、それを地中に埋め込んで地球Gを作り出していた」

M「火星の場合なら残りの2/3の重力を作り出してやればいいわけですから、それほどに圧縮する必要は無いわけですね。また岩石なら火星にあるものを利用できるわけですから効率的というわけですね」
S「実際のところ現在の火星は0.8地球G。これを1Gと現在では定義している」
M「なるほど…。ところでこの文章を読んでいる人が誤解しないように注意書きをしておきましょう。総指揮が今の文章中で『現在』という言葉を使っていますが、それは『2370年の現在』のことをさしています。委員会内では特に注意が無い限り現在とは2370年現在を指しますので、ここでもその記述法を踏襲します。なお、20世紀の今は『20世紀現在』もしくはそれに準ずる表記をするのでご注意下さいね」

S「ありがとう。それで続きだが、現在はどうしているかというと、巨大な空間拡張型重力発生装置を地中に埋め込んで重力を発生している」
M「火星全域にですか?!」
S「流石にそれは無理だ。現状では都市部や住宅地域に優先的に埋められている。人の住空間があるところのみ…という感じ。工場や水域はほとんど火星重力のままだ」

M「そういえば火星って思ったより水域が少ないと思うんですが…」
S「あぁ、いいところに気が付いた。天体環境における水の働きというのは、一つは比熱の関係で熱を蓄えることによって天体の気温をある一定に保つ働きがあるんだが、もう一つは二酸化炭素の吸収という役割をもつ」
M「なるほど。火星は炭酸ガスの放出による温室効果を最大限利用していますから、そのガスを水が吸収してしまっては困る訳なんですね」
S「そう、また気温は人の居住地域だけ必要気温であればいいわけだから惑星全体を一定温にしておく必要はないという訳だ」
M「一種のヒートアイランド現象を作り出せばいいと言うわけですね」
S「分かりやすく言えばそう言うこと。とはいっても、現在に至っては人の住んでいない地域なんて限られているから、ほとんどがテラ=フォーミングされてしまっている」

M「現在の火星は、完全に気象コントロールされているようですが、初期のテラ=フォーミング段階はどうだったんですか?」
S「これがまた上記の開発工程に大きく影響されている。初期の頃の火星は2・3ヶ月に一度の割合で惑星規模の砂嵐におそわれることがしばしばだった。特に人工的に水域や降雨を作り出してからは台風の数倍の規模の嵐が都市を襲った。これは、火星上の地域差…つまり本来の火星域と人類の開発した地域の気候差が大きかったためで、エントロピーの関係でそれを是正する現象が嵐になって発生したと言える」

M「すると、火星全域に開発が及ぶにつれてそのような嵐は減少していたわけですね」
S「そのとおり。もちろん嵐が吹き荒れる時代から気象のコントロールは試みられていたわけで、それが功を奏して現在のように気象の制御を可能にしている」
M「雪とかはどうして降らせないんですか?」
S「基本的に雪の社会的恩恵は無いからね。交通の麻痺を引き起こすのがオチだ。そうなれば経済流通にまで影響する」
M「そうなってしまいますか…」
S「ただ、人類がエントロピーの増大をコントロールすることは究極的には出来ないと言うことをいずれ思い知る時がくる…」



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